メッセージ

「企業としてあり続けるために」

セイコーインスツル株式会社
代表取締役社長 新保 雅文

東日本大震災を経て

2011年3月11日、まさしく想定外の大地震が東日本を襲いました。被災されました皆様に謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

今回の被災地である東北地方は、SIIにとって重要な製造拠点がありますが、社員全員が無事であったこと、拠点の建物等に大きな被害がなかったことは 幸いでした。事業活動の復旧にあたっては、お取引先様はじめ、ステークホルダーの皆様に多大なるご協力を賜り厚く御礼を申し上げます。

今回の大地震を教訓にして「不屈のSII」を創っていくとともに、『誠実・信頼・感謝』というSIIの理念のもと、被災地域や日本の復興に少しでもお役に立てるよう尽力していく所存です。

倫理観を持った人材、会社を育てる

2010年11月に社会的責任の国際規格ISO26000が発行されました。これを一つの契機にSIIでは企業行動憲章を改定しました。改めて、企業経営におけるトップマネジメントの責任、並びに企業の社会的責任およびコンプライアンスの重視を強調しました。
企業活動を担うのは社員です。私は企業行動憲章を理解し実践する社員一人ひとりに、高い倫理観を持った人間になって欲しいと思っています。厳しい競争が求められる経済社会においても倫理観は不可欠のものです。倫理的に正しい行動を前提とする競争、それをSIIの文化として根付かせていきたいと願っています。そのためにより一層の人材育成に努めていきます。

グローバル企業としてやるべきこと

世界のどの地域においても、企業に対する社会的責任への期待は高く多様化しています。企業は地域や社会の課題や期待を意識し、事業活動が及ぼす影響に配慮する必要があります。SIIは世界各地に拠点を構え地域や社会から恩恵を受ける企業として、働く人々を尊重し、地域とのコミュニケーションを図りながら誠実な事業活動を展開します。SIIの社会的責任の遂行が社会的課題の解決の一助となれば幸いです。

持続可能な地球環境を目指して

東日本大震災を経て、日本の、そして世界のエネルギー事情が大きく転換しようとしています。そして地球温暖化防止のためには、これまで以上に安全性の高い再生可能エネルギーの普及が望まれます。SIIでは従来のCO2排出削減を鋭意推進するとともに、再生可能エネルギー活用の可能性を検討していきます。

また、製品面でも環境への配慮を重点的に推進しています。SIIでは、製品自らの環境性能を向上したグリーンプロダクツに加え、SIIの製品が組み込まれることでお客様の製品の環境性能を向上できること、また、人々が生活する環境の保全に貢献できるという概念を『グリーンプロダクツplus』と位置づけ、より一層の地球環境の改善に貢献できるものづくりを進めてまいります。

地球温暖化防止と同様に生物多様性の保全も重要です。2010年10月に名古屋で開催された生物多様性条約の締約国会議においては、名古屋議定書と愛知目標が採択されました。企業においても生物多様性保全の責任を果たしていかなければなりません。

SIIでは2011年4月に「生物多様性行動指針」を制定しました。今後は事業活動が及ぼす生物多様性への影響を把握しながら生物多様性保全に貢献していきます。

SIIならではの技術で社会に貢献する

SIIは技術理念として『匠・小・省』を掲げています。この理念を背景に、SIIは腕時計の技術を源とする多岐にわたる技術の展開を探求してきました。私は技術者には現状で満足して欲しくないと思っています。技術は常に進化し変化を重ね、行きつくことはないからです。改定した企業行動憲章にも「技術の研鑽に努める」ことを宣言しました。

新たな技術や製品の開発には、技術者たちの飽くなき探究心とともに、互いの意見を率直に出し合い議論するワイガヤの企業文化が不可欠と考えています。『匠・小・省』を駆使した開発を通じ、技術も社員も活き活きとした会社に、そして技術で社会に貢献できる企業にしていきたいと強く願っています。そのためには、それを支えるマネジメントの率先垂範の姿勢も重要です。経営トップとして真摯に努めていく所存です。

セイコーインスツル株式会社
代表取締役社長
新保 雅文