
本庁・支所など19カ所にBlueBrickEXを導入。
高度なQoS機能でトラフィックをコントロール
熊本県山都(やまと)町では2005年2月の3町村合併を契機に地域イントラネット「山都町ネットワーク」を構築。町内の公共施設31カ所を広域イーサネットサービス「ワイド LANプラス」で接続するとともに、役場・総合支所・公民館など19カ所の公共施設に高度なQoS機能を備えたSIIネットワーク・システムズのイーサネットアクセス装置「BlueBrickEX」を導入しました。きめ細かな優先制御・帯域制御により、同町のデータセンターとなる蘇陽総合支所内の各種システムへのトラフィックをコントロールし、スムーズなアクセスを実現しています。
- 熊本県山都(やまと)町 : http://www.town.kumamoto-yamato.lg.jp/
- 導入製品 : BlueBrickEX
地域イントラネット基盤施設整備事業を活用し「山都町ネットワーク」を構築
山都町は、2005年2月に旧矢部(やべ)町、旧蘇陽(そよう)町、旧清和(せいわ)村が合併して誕生。熊本県東部の緑豊かな山あいにあり、観光名所の通潤橋や県重要無形文化財「清和文楽人形芝居」など、多種多様な自然と先人の残した多くの文化遺産や歴史を今に伝えています。東に宮崎県五ヶ瀬(ごかせ)町、椎葉(しいば)村と接し、阿蘇南外輪山から九州山地の脊梁までを圏域として町の面積は約545平方キロに及び、県内屈指の広さを誇っています。
山都町では、情報通信技術を行政の効率化とともに、魅力ある地域づくりの手段としてとらえ、地域の活性化や住民へ行政サービスの向上などに向けて地域情報化を推進。合併を契機に国の補助事業である地域イントラネット基盤施設整備事業を活用し、「山都町ネットワーク」を構築しています。その狙いについて山都町役場総務課文書情報係の井手徹氏は、「旧町村ごとに情報化の整備状況が異なっていました。合併を機に統一したネットワークを構築することにより、地域情報化や教育の情報環境の地域格差を是正し、均衡を図ることが急務でした」と話します。
そして、地域イントラネット基盤施設整備事業にあたり、「2005年7月にネットワーク設計支援にかかわるコンサルタントと契約。その後、アプリケーションの事業者やハードウェアの事業者の入札を経て山都町ネットワークを構築。2006年3月から本格稼働を開始しています」と山都町役場総務課文書情報係主事の荒木規夫氏は経緯を説明します。
広域イーサネット「ワイドLANプラス」を採用し、役場や総合支所、小中学校など町内の31施設を接続
「情報技術は目覚しい勢いで進歩しています。山都町の要件を専門的な視点から検討、助言するのが私たちの仕事です。イントラ事業の特性を踏まえ、限られた予算の中で既存のネットワーク・システムに有効に利用し、且つ最新技術を取り込むことが重要です。職員の皆さんがスムーズに業務を行い、学校や公民館などの公共施設で情報を活用することで住民サービスが向上するようネットワーク環境を提案しました」と、コンサルティングを担当したアイネットワーク研究所取締役福岡オフィスマネージャーの榮泰弘氏は話します。
山都町ネットワークのインフラには、NTT西日本の広域イーサネットサービス「ワイドLANプラス」を採用。旧清和村及び旧蘇陽町の地域インターネット整備でメガデータネッツ、ワイドLANを導入していた経緯もあり、「短期間かつ低コストにインフラを整備するためには、自営の光ファイバー網を構築するより、通信キャリアのサービスを活用したほうが得策」(井手氏)との判断がありました。
そして、山都町のネットワーク・システムを一元管理する山都町蘇陽総合支所内の電算室(データセンター)を基点に、山都町役場や清和総合支所をはじめ、町内の小中学校や保育園、公民館、図書館などの公共施設、31カ所をワイドLANプラスで結ぶ山都町ネットワークを構築しています。ワイドLANプラスは、MA(単位料金区域)毎に複数拠点を結ぶWAN構築が可能で、アクセス回線は1Mbpsから最大1Gbpsまで、中継回線は10M、100M、1Gbpsに対応。イーサネットインタフェースで複数拠点のLANを統合できることや、専用サービスと同等の高セキュリティを備えるといった特徴があり、「MA内均一のリーズナブルな料金で利用できることから、自治体や企業の複数拠点を結ぶプライベートネットワーク構築の手段として盛んに導入されています」と、山都町ネットワーク構築を担当したNTT西日本-中九州担当課長の長友雅彦氏は述べます。
山都町の要件であった高いコストパフォーマンスを実現するイーサネットアクセス装置として「BlueBrickEX」を導入

山都町では、役場や総合支所の主要施設を100Mbpsで接続する一方、小中学校などの公共施設は数Mbpsのアクセス回線速度で接続。「電算室が設置された蘇陽総合支所をはじめ、トラフィックや端末台数の多い役場などは高速なアクセス回線を利用していますが、それ以外の公共施設はトラフィックの見合いやコスト面の制約もあり、低速なアクセス回線を導入しています。回線を流れるトラフィックをうまくコントロールし、各拠点からのサーバーアクセスをスムーズにするためにも効率的な優先制御・帯域制御が行える装置の導入が必須になると考えていました」(榮氏)。
そして、山都町では昨年11月のハードウェア選定時に、BlueBrickEXの導入を決定。「技術サポートを行っていただいたネクストコムの推奨もあり、山都町の要件でもあった高いコストパフォーマンスと優れたQoS機能を備える製品としてBlueBrickEXを山都町に提案させていただきました」と長友氏は述べます。
「BlueBrickEXはきめ細かな優先制御・帯域制御が行え、イーサネットアクセスに最適な製品として推奨しました」とネクストコム九州営業所長の帆足利智氏は話します。また、同営業所の井上功一氏は「BlueBrickEXは新しい製品ですが、東京の専門チームがEX の検証、評価を重ねていたことや、従来のBlueBrickシリーズが、高いクオリティを備えていることから、安心してお勧めできました」と付言します。
そして、山都町では役場や総合支所をはじめ、図書館や公民館、保育園など19カ所にBlueBrickEXを導入。BlueBrickEXとワイドLANプラスを活用した先進的な地域イントラネット「山都町ネットワーク」が2006年3月から本格稼働を開始しています。
ミッションクリティカルな基幹系と情報系を統合した
山都町ネットワークの帯域制御をBlueBrickEXで実現
熊本県山都町では、イントラ事業で整備した設備を有効に利用するため、行政情報提供システムなどの情報系ネットワークと、シンクライアント(Citrix Presentation Server)を採用する基幹系ネットワークを統合するなど、QoS制御によりタイムリーな行政情報の提供や住民サービスの向上を可能にしています。 GIS(地理情報システム)の導入や議会のストリーミング中継などの計画もあり、増大するトラフィック需要にも柔軟に対応できるBlueBrickEXが山都町ネットワークの高度化をサポートしています。
Citrix Presentation Serverを採用した基幹系ネットワークを新たな地域イントラネットに収容
山都町では地域イントラネット基盤整備に合わせて、情報系アプリケーションの拡充を図り、行政情報提供システムや福祉情報提供システム、観光情報提供システム、公共施設案内予約システム、教育情報共有システムの5つのアプリケーションを導入しています。例えば、「教育情報システムは、パソコンによるプレゼンテーションや、インターネットを利用した検索の学習などに加え、今後、テレビ会議を活用した地域の学校間の交流なども考えられます」と山都町役場の荒木規夫氏は話します。
現在の山都町ネットワークは、情報系とともに、財務会計システムなどの基幹系ネットワークを統合収容。基幹系は住民の個人情報が含まれることから、バーチャルLANで基幹系と情報系のセグメントを分割しセキュリティを確保するほか、基幹系にメタフレーム技術を採用しています。基幹系を扱う役場や総合支所、公民館、図書館などの出先機関の職員は、各種サーバが一元管理された蘇陽総合支所の電算室のシステムにアクセスしながら業務を行い、各職員は端末をシンクライアントのように使うことでセキュリティを確保する仕組みです。
大量のトラフィックが流れる情報系と、ミッションクリティカルな基幹系のトラフィックをきめ細かくQoS制御するため BlueBrickEXを活用しています。これにより、トラフィックの多い役場や総合支所はもちろん、アクセス回線の帯域が限られた出先機関においても、 BlueBrickEXで帯域を有効利用することができます。
地域住民の生活に欠かせない行政情報提供システムなどの情報系トラフィックや、基幹系トラフィックに高い優先度を割り当てるといったきめ細かな優先制御・帯域制御が行え、「今回のイントラ事業では、とくに情報系の拡充を図っており、基幹系に影響を与えることなく、均一な通信品質でサービスを利用するためにもBlueBrickEXの役割は大きいと思います」とアイネットワーク研究所の榮泰弘氏は述べます。また、山都町役場の井手徹氏は「光ネットワークをベースにタイムリーな行政情報の提供が可能になり、住民サービスの向上が図られると思います」とワイドLANプラスに接続されたBlueBrickEXの導入効果を話します。
短期間でのネットワーク構築を可能にしたSIIのスピーディかつ的確なサポート体制
山都町ネットワークの構築に際し、苦労も少なくなかったようです。2005年11月のハードウェア選定から稼働まで約4カ月という短い工期の中で、山都町ネットワークに接続する施設は31カ所。そのうち、BlueBrickEXの設置は19カ所に及びます。「既設の機器を有効活用して新ネットワークを設計したため、既存システムの設定変更などで施工を担当したNTT西日本さんは大変なご苦労だったと思います」(井手氏)。
構築を担当したNTT西日本-中九州SE担当課長の宮家晴喜氏は「既設システムを中断させずに移行する要件があり、ネットワーク設計段階からネクストコムやSIIネットワーク・システムズにサポートしていだきました。構築途中、設定情報の変更が生じた際に、設定情報の確認、相談に乗っていただき、迅速な対応で安心して構築作業ができました。今後ともこれまでのようなサポートをお願いしたいですね」と話します。
また、NTT西日本-中九州担当課長の長友雅彦氏は「今回の山都町ネットワークの構築は工期が短い上、多数の拠点に BlueBrickEXを設置する必要があり、SIIの製品や技術に熟知したネクストコムのサポートは心強かったですね」と評価。ネクストコム九州営業所長の帆足利智氏は「SIIは製品の品質の高さはもちろん、サポートについてもユーザの立場に立って迅速に対応してくれ、導入から稼働まで短期間のネットワーク構築を実現することができました」と振り返ります。
山都町ネットワークの拡張などで期待されるBlueBrickEXのトラフィックモニター機能
BlueBrickEXは、高度なQoS機能に加え、QoS効果をWebブラウザで確認できるトラフィックモニタ機能が大きな特徴です。「導入後のQoS管理にトラフィックモニタ機能を活用できることもBlueBrickEXを推奨した理由の一つです。今後、アプリケーションの拡張などに応じたQoSの設定変更やネットワークの再設計時に役立てることができます」とネクストコムの井上功一氏が話すように、山都町では今後、地域イントラネットを住民へのさまざまな情報提供に活用する計画です。
例えば、町域が広大なため、交通や時間的な制約から町議会の傍聴が困難な住民も少なくないことから、町議会の模様をストリーミングで中継する構想もあります。また、地域の祭りを中継するなど、地域住民に新生・山都町の伝統行事を知ってもらうために映像を活用する構想もあり、「住民への情報提供や、相互の情報交換などで山都町ネットワークを活用していく計画です。さらにGISの導入や医療機関との連携など、生活密着型の行政サービスを目指しています」と井手氏は今後を展望します。
遅延やゆらぎが許されない映像アプリケーションなど情報系の拡充や、ミッションクリティカルな基幹系を活用した住民サービスの向上など、先進的な電子自治体に向けたIT活用を推進する山都町ネットワークの一翼を、SIIネットワーク・システムズのBlueBrickEXが担っています。
熊本県山都町
山都町役場:熊本県上益城郡山都町浜町6
町制:2005年2月に3町村の合併で誕生
人口:20,333人
世帯数:6,378世帯(2000年国勢調査による)
矢部地区の通潤橋や蘇陽地区の蘇陽狭、清和地区の文楽館などの観光名所がある。 山都町に広がる高原でキャンプなどのアウトドアを楽しみに訪れる人も多い。
