薄肉ワークの高精度加工を実現
新たに開発した2ロール1シュー主軸をCNC内面研削盤STG-N6に搭載することにより、薄肉ワークの高精度加工を実現した事例を紹介します。
セイコーインスツル精機部は、腕時計をはじめとした精密機器の製造で培ってきた精密加工技術をもとに、
内面研削盤および高速スピンドルを通じてお客様の精密加工の課題解決に貢献して参ります。
01腕時計製造で磨いた精密加工技術と
工作機械開発力
セイコーインスツル・精機部の前身であるセイコー精機(当時の社名)は腕時計用の専用工作機械の設計製造を担当し、高精度かつ高生産性に対応できる機械の開発に力を注いできました。昭和39年(1964年)の第一回工作機械見本市にセイコー精機として初めて、円筒研削盤AUG25型を出品し、好評を得ました。その後、次の製品として円筒研削盤の機構を発展させた内面研削盤の開発を始め、昭和41年(1966年)に内面研削盤として最初の製品となるSIG3型を第二回工作機械見本市に出品し、販売を開始しました。
以来、自動車部品やベアリングなど高い加工精度が求められる製造現場に内面研削盤を数多く提供し、精密部品加工の現場でお客様とともに歩んでまいりました。
私たちは、これまで培ってきた品質や技術へのこだわりや課題を解決するための知恵と工夫といった「匠」の精神と、ものを「小」さくすること、そしてエネルギーや資源を「省」くことの3つの「匠・小・省」を"SYOism"と称し、技術理念としています。
今後も固定概念にとらわれることなく、精密技術を通じてお客様のご要望に対して真摯に向き合ってまいります。
02精度と生産性向上へのこだわり
精密部品製造において研削は製品の精度を決定づける重要な工程となり、研削盤には高い工作精度が要求されます。私たちが数多くの内面研削盤を提供してきた自動車部品やボールベアリングの製造現場では、加工精度だけでなく生産性についても高いものが要求されます。そうしたニーズに応えるため、私たちは加工精度だけでなく加工効率を高めることへの探求を続けてきました。特に小径穴加工は、砥石径が小さくなることに加えて、砥石を支持するクイルの径が小さくなるために工具支持系の剛性が下がり、高い加工精度を維持しつつ生産性を向上させることは困難となります。私たちはこれらの課題を長年の経験で培ってきたノウハウをベースに解決してきました。今後もお客様が抱える精度や生産性に対する課題に真摯に向き合い、解決策を提供して参ります。
03世界トップレベルの性能を誇る
高周波スピンドル
内面研削は、加工径に対し砥石の径が必然的に小さくなるため、高い加工精度と加工能率を得るには砥石をより高速に回転させる必要が生じます。例えば砥石周速に対する加工面の周速比は 0.02~0.05程度と言われています(φ30の内径を2,000min-1 で回転させて加工するには砥石を50,000min-1で回転させる必要がある)。また製品には高い形状精度を求められることが多く、高速回転に加えて、高い回転精度と剛性が必要とされます。
内面研削盤の開発に着手した当時、内面研削用の高周波スピンドルは海外製が主流でした。そこで私たちは海外製品よりも高い精度と剛性をもった高周波スピンドルの開発が先決であると考え、独自の高周波スピンドルの開発を始めました。以来、自社開発のスピンドルを搭載した内面研削盤は自動車部品やボールベアリングをはじめとした精密部品加工の現場に5,000台を超える納入実績を数えるに至っています。
内面研削盤の心臓部ともいえる高速、高剛性、高精度の砥石軸スピンドルを自社で開発・製造できることが私たちの強みであり誇りです。
高周波スピンドル HIGH FREQUENCY SPINDLE
セイコー精機時代より続く精密加工への信頼と実績で、精密研削加工、
高速加工、ミーリング加工など、お客様が抱える様々な加工ニーズに応えます。
工作機械 MACHINE TOOLS
精密、高速加工を実現した各種研削盤をご提案いたします。
匠の技でコンパクトかつ省エネルギーを実現し、工場にやさしい内面研削盤をご提供しております。
精密切削部品 PRECISION TURN PARTS
精密切削部品の詳細