【精機部】コラム

薄肉ワークの高精度加工を実現

作成者: セイコーインスツル|Apr 27, 2025 4:16:29 AM

 

 

こうした把持による形状精度の悪化を回避するため、これまでボールベアリング部品などの内面研削加工に用いてきた方式を応用した汎用性の高い2ロール1シュー主軸を新たに開発しました。

 

STG-6Nロール主軸仕様の特徴と事例

新たに開発した2ロール1シュー主軸を当社が 製造、販売しているCNC内面研削盤STG-6Nに搭載することにより、薄肉ワークの高精度加工を実現しました。

2ロール1シュー主軸とは同期回転する2つのロールでワーク外径を挟んで回転させ、固定されたシューに外径を倣わせて内径を加工する構造です。

2つのロールはタイミングベルトを介し、モータにより同期駆動され、ワーク端面は固定されたバッキングプレートとバネ力で押さえるフロントプレートにより支持される。2つのロールの開閉によりワークの着脱を行う機構になっており、この開閉距離を長くすることで1種類のツーリング部品で様々なワークサイズに対応できます。

 

把持による変形の影響を受けやすい薄肉のワークの高精度加工という課題解決のひとつとしてSTG-6Nロール主軸仕様による加工事例を紹介しました。これはボールベリングや自動車部品を代表とする精密部品の量産現場で培ってきた技術を汎用内面研削盤に応用した例でもあります。SEIKOの腕時計製造に始まり、長年にわたり精密加工分野で培ってきた「小・匠・省」の技術を基に、今後も様々な精密部品加工の高精度化と高能率化に貢献していきます。