WET試験による排水の安全性評価を実施

SIIグループ(以下SII)は、生態系サービスの恩恵を受けている企業として、生物多様性の保全は本業においても取り組むべき環境経営の重要課題と捉えています。その考えに基づき2011年4月に『生物多様性行動指針』を策定し、具体的な取り組みを開始しました。
活動の一環として、SIIでは高塚事業所(千葉県松戸市)にてWET試験による排水の安全性評価を初めて実施しました。

WET試験とは、魚類(ゼブラフィッシュ)による魚類胚・仔魚期短期毒性試験、甲殻類(ニセネコゼミジンコ)による繁殖試験、藻類(ムレミカヅキモ)による生長阻害試験より構成されています。高塚事業所では、この試験を株式会社環境管理センターに依頼し実施しました。その結果、試験生物への影響は認められず、生態影響リスクは極めて低く良好な水質であることを確認しました。

高塚事業所では主に半導体の製造や、研究開発、生産技術開発などを行っています。事業所からの排水は適正に処理後、河川を経て最終的には東京湾に排出されます。これまでも排水の法規制遵守はもちろんのこと、厳しい自主基準を設けて水の安全性に注力してきました。

今回の試験結果を励みに、引き続き水の安全を守ってまいります。

排水を採水
排水を採水
ゼブラフィッシュの受精卵を用いた魚類胚・仔魚期短期毒性試験の様子
ゼブラフィッシュの受精卵を用いた魚類胚・仔魚期短期毒性試験の様子
分析結果

分析結果の一例(暴露5日目までのふ化率)

WET:Whole Effluent Toxicity(全排水毒性)。個別の化学物質を評価するのではなく、生物応答を用いることで、排水や環境水の安全性を総合的に評価する手法です。