LED照明に最適な温度センサーIC「S-5855Aシリーズ」を発売
世界初、指定温度を超えるとPWM出力のデューティ比を100%からリニアに減少

 セイコーインスツル株式会社(略称:SII、社長:新保雅文、本社:千葉県千葉市)は、世界で初めて※1指定温度を超えるとPWM※2出力のデューティ比を100%からリニアに減少する温度センサーIC「S-5855Aシリーズ」を開発し、本日1月17日に発売します。

※1 2010年12月現在、PWM出力温度センサーICとして、SII調べ。
※2 PWM(Pulse Width Modulation パルス幅変調):パルス波形においてON/OFFの比率を変化させること。ONの時間とOFFの時間の比率をDutyと呼ぶ。

 「S-5855Aシリーズ」は、利用機器の指定温度以上の上昇(過熱)を効率良く抑えることができるPWM出力温度センサーICです。主なアプリケーションであるLED照明の場合、LEDを駆動するドライバーICのDIM(調光制御)端子などに直接接続し、LED照明の熱設計範囲を超える領域においてPWM変調の信号を出力する事で、LED照明の調光(減光)を行ないます。これにより、機器の安全保護と効率化を実現します。

 近年、LED照明機器の市場が急速に拡大しています。LED照明は白熱電球に比べ低消費電流で高寿命ですが、LED素子からの発熱また設置環境の熱による寿命短縮や安全確保には十分注意する必要があります。この対策として、一般的には(1)筐体の放熱性を上げる熱設計を行なう。(2)筐体形状や設置環境の都合により高温が想定される場合、定格より光量を下げて点灯する。(3)熱設計値以上の温度上昇時には完全に動作を止める(消灯)。などの方法がとられています。

 「S-5855Aシリーズ」は、ある指定温度まではPWMのDuty比100%を保持しますが、指定温度を超えると温度上昇に対してリニア(直線的)に減少します。これに伴って、LEDの輝度を定格の100%からリニアに減少させ発熱を抑える事ができます。あわせてドライバーICのDIM端子などに直接接続できるので、回路設計が容易になります。これにより、LED照明機器の、安全設計、高効率化、回路設計の容易化などに貢献します。

 現在、電気用品安全法、UL規格などの法令化など、電子機器の過熱、発熱問題が注目されています。SIIでは、PWM出力以外にも単純に動作を止める温度スイッチなど安全機能に適した温度センサーICのラインナップを充実し、安全設計に貢献してまいります。

【主な特徴】
1.高効率な照明輝度確保と過熱保護
指定温度を超えるとDuty比をリニアに減少させます。ある指定温度までは100%Dutyを保持し、指定温度以上ではDuty比を減少させるPWM出力温度センサーICは世界初です。これにより、LED照明輝度を効率よく使用しつつ、加熱保護ができます。

2.簡単設計
LEDドライバーICのDIM端子などに直接接続することができるので、回路設計が容易です。

3.超小型SNT-4Aパッケージ
1.2×1.6×0.5mmの超小型SNT-4Aパッケージを採用しているので、LED素子の近傍に高密度実装が可能です。このほか、2.9×2.8×1.3mmの SOT-23-5パッケージも用意しています。

4.広い動作温度範囲
-40℃~+125℃と広い動作温度範囲を有し、LED照明だけでなく各種電子機器にも使用できます。

5.低電圧動作
1.65 V~5.5 Vの低電圧動作のため、電池駆動機器でも利用できます。

【用途例】
・LED機器の温度補償
・ノートブックPC、タブレットPCなどの温度補償
・各種電子機器の過熱防止 など

【受注開始時期】
・サンプル出荷:2011年1月17日から
・量産開始:2011年1月17日から

【サンプル価格】
・100円

【販売目標】
・年間500万個

【詳細情報】(データシート)
http://datasheet.sii-ic.com/jp/temperature_sensor/S5855A_J.pdf

以上

この件に関するお問い合わせ先
マスコミセイコーインスツル株式会社
総合企画本部 広報部
TEL:043-211-1185一般のお客様セイコーインスツル株式会社
電子デバイス事業ユニット 半導体営業総括部
TEL:043-211-1193
http://www.sii-ic.com/