研究開発

繊細な技とノウハウで新たな価値を創る「匠」、精密加工や高密度実装技術で小型化を実現する「小」、材料やエネルギーなど様々な資源を効率的に活用する「省」。こうした「匠・小・省」の技術を極め、技術革新を支えると同時に、新製品・技術創出につながる開発を推進しています。
匠・小・省

機械式腕時計の進化を目指して

機械式腕時計では時刻を正確に示す「精度」と動力ゼンマイの巻き上げで動作する「持続時間」が重要です。精度を上げるためには、てんぷの振動数を上げたり、特殊な脱進機構などを採用しますが、その場合、動力ゼンマイのエネルギー消費が多くなり、持続時間が低下する傾向にあります。
SIIでは機械的エネルギーの損失を低減した新型脱進機の開発を行っており、従来と同等以上の持続時間を確保しながら、さらなる高精度を追求した機械式腕時計の実用化を目指しています。

機械式腕時計の駆動部品(ムーブメント)
機械式腕時計の駆動部品(ムーブメント)

わずかな気圧変化をセンシングする

SIIでは、1988年ごろからMEMS技術を応用した新規デバイスの開発に取り組んでいます。こうしたテーマの1つとして、0.2パスカル(Pa)の分解能を有する圧力センサーの開発を行っています。
0.2Paとは、高さが2cm上下した際の気圧変化に相当し、世界最高クラスの分解能を実現しています。さらに、わずかな時間に生じた変化を正確に測定できることも大きな特長で、今後各種センサーネットワークや医療、ヘルスケアなど、幅広い分野での応用が期待されています。

超高分解能MEMSセンサー試作品
超高分解能MEMSセンサー試作品