品質保証・製品安全

品質に対する考え方・品質基本方針

SIIはお客様にお届けする製品を、お客様の視点に立って、安全に、そして安心してお使いいただくために、全グループを挙げて幅広い品質保証活動を展開しています。

「お客様価値を創造するQ(Quality 品質)、C(Cost コスト)、D(Delivery 納期)、S(Safety&Service 製品安全及びサービス)を提供する」

これはSIIグループの品質基本方針です。品質のみならず、コストも納期もそして製品の安全性も含め、お客様にご満足いただきたい、というSIIの強い意志が込められています。

この品質方針を具体化するために、品質保証推進体制を構築し、以下を基本施策として取り組んでいます。

1.品質、製品安全に関する国内外の技術法規制、各種規格の遵守
2.開発・設計段階での品質、製品安全の作りこみのしくみづくりと人材育成
3.品質、製品安全に関する情報の共有化

品質保証推進体制

セイコーインスツルの社長のもと、全社品質保証責任者を最高責任者として、各事業部門に品質保証責任者を置き、SIIグループ全体の品質保証体制、及び製品安全推進体制を構築しています。

品質基本方針に基づき、各事業部門は品質保証活動を展開し、また、本社品質保証部門は、各事業部の品質保証部門との情報共有化、支援、教育、監査を通じて全社活動を展開しています。特に、品質、製品安全情報の共有化のために、SIIグループの各部門の品質保証責任者によるネットワークを構築し、スピードある活動展開ができるしくみをつくっています。

品質保証推進体制

ISO9001及びIATF16949の認証取得

SIIでは 品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 9001(2015年版)の認証を取得しています。
さらなる全社的な品質保証体制の強化を目指し、従来の各事業部門や関連会社単位での認証から、全社統一での認証に取り組んでいます。これまで日本国内サイトの統一化を完了しました。品質マネジメントシステム研究会を組織して、システムの有効性向上にも取り組んでいます。
なお、自動車産業に携わる事業部ではIATF16949もあわせて取得しています。

品質関連教育

社員一人ひとりが品質向上に貢献できるよう、全社員を対象に品質管理に関わる教育を実施しています。現在の講座は大別して6分野、全講座数は30講座に及び、初級者向けの講座からエキスパート育成講座まで多岐にわたります。
これら集合教育の他には、事業部別に各々製品に特化した教育も行っています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、リモート教育・通信教育といった方式も採用して人材育成の継続に努めています。
2022年度は国内・海外拠点を合わせてのべ500名を超える社員にさまざまな教育を行いました。この結果は2019年度と同レベルの人数であり、コロナ禍前の教育頻度まで戻ってきました。

品質教育体系図(一部抜粋)

SIIでは「QC検定」の受検を推奨しています。個人の品質管理に関する知識を高めることで、製品の品質向上に活かしていくことを狙っています。2022年度は1級から4級までの合計で41名が合格しています。(2023年5月 現在)

QC検定(品質管理検定):(一財)日本規格協会と(一財)日本科学技術連盟が主催し、(一社)日本品質管理学会が認定する品質管理に関する検定である。品質管理に関する知識をどの程度持っているかを全国で筆記試験を行って客観的に評価を行うもの。四つの級を設定している。

安全・安心を作りこむ品質保証

SIIの製品安全への基本的な考えは、「お客様へ安全な製品、サービスを確実に提供し、お客様の安心と信頼を高めること」です。継続的な製品安全教育を実施し、製品安全意識の向上と安全技術者を育成しています。

また、SIIグループ内に製品安全連絡会を設置し、全製品について定期的に製品安全・技術法規制点検を行い、製品の安全性と各国法規制への適合を検証しています。

万が一、SIIの製品による事故が発生した場合は、10分以内に経営トップへ報告し、同時に問題の早期解決と再発防止を図った上で、全社で情報の共有化と水平展開を進めています。

開発段階からの品質の作りこみ

品質問題やバラツキの原因は、多くの場合、開発・設計段階にあります。SIIが品質向上活動として特に力を入れて推進しているのが、この開発・設計段階で品質を作りこみ、技術完成度を徹底的に高めることです。

その施策として、品質工学や統計的手法、3次元CAD、CAE、機器分析を活用した技術者の思考力の向上や、設計条件や加工条件のパラメータの同時最適化による品質ばらつきの最小化などを、品質保証、研究開発、生産技術、分析評価等の関係部門が共同で取り組んでいます。

業務プロセス点検

SIIは高品質な製品とサービスを、お客さまへお届けしたいと考えています。それを確実なものとするため、本社品質保証部門では、海外を含めた全事業部門を対象に「業務プロセス点検」を実施しています。点検では、全業務プロセスの確実性、意識レベル、改善の進捗、有効性などを点検し品質の作りこみを行っています。

品質監査/技術指導

新型コロナウイルスの感染拡大防止対応は、社会とステークホルダーの安全確保に重要な取組みです。その為、出来るだけ人と人との接触を減らす必要があります。同時に高品質な製品とサービスを提供するには、関係者との密接な連携が求められます。
そこで、2022年度はリモート技術を活用した監査や技術指導を実施してきました。現地で行う監査や技術指導とは異なる視点や伝え方が重要であり、そのノウハウの蓄積と活用を続けています。